毒親の記憶と私の生活

毒親のことや日常の出来事や思ったことを書いていきます

毒父

毒父は北関東出身の男尊女卑の思考が強い人間で、貧乏コンプレックスと学歴コンプレックスを持った人です。

 

高校生の時に大学への進学を希望しましが、毒父の「(毒弟)が大学へ行くからお前はだめだ」の一言で大学進学を断念しました。

お金に余裕のある家ではなかったため、二人分の学費は払えない、でも男は一生働くから無理しても大学へ行かせるけど、女は家庭に入るから余分な金をかける必要はないという理由だと思います。

なにより、学歴コンプレックスをもつ毒父は、女に学歴がついて自分より優位になるのが嫌で「お前なんか大学行けるか!」と言い、大学進学を断念させようとしました。

 

進学校に通っていたにも関わらず、毒両親は私のことを本気で馬鹿だと思っていて、「お前は馬鹿だ」「本当の馬鹿だ」とよく言われました。

 

一方、毒母は自分の父親が大卒で、結婚する時に母親に「大卒の人と結婚してほしかった」と言われた言葉が心にひっかかっていて、私を大卒の人と結婚させて、自分が果たせなかった母親の希望を叶えたいという思いで私に短大を勧めました。

短大を勧めた理由は、女は男と並んだり、秀でてはならないから大学には行かなくてよい、でも大卒の人と結婚するためには、ある程度の教養がないと釣り合わないからということでした。

大学が駄目なら、専門学校で服飾デザインを学んでデザイナーになりたいと言うと、娘を見下したい毒父は「お前なんかなれるか」と言い、毒母は「お針子さんなんて中卒の仕事だ」と時代錯誤もはなはだしい見解を示し、職業を全く理解しませんでした。

 

毒父と毒母で考えが異なりましたが、結局、家庭では毒父より毒母の力が強いため、短大へ行くことになりました。

自分の希望と違う進路を強要されてもやもやしたので、友人にそのことを話すと、

「進学させて貰えるだけいいじゃない。私なんか進学したくてもできないんだよ。」

と言われました。その友人は父親を亡くして、母子家庭でした。

友人にそう言われて、(そうだよな。進学させてもらうだけありがたいよな。)と思うようにしました。

私には毒親の意にそうように自分の思考を捻じ曲げる癖がありました。

 

受験勉強をするにあたって、参考書や問題集を買いたいと毒母に言うと、「学校の教科書で十分だ!」と言われて買ってもらえず、しかたなく教科書だけで受験勉強をすることになりました。もちろん塾には通わせてもらえません。

一方で、毒弟には小学校から2つの塾に通わせ、私立中学の受験をさせました。

高校も私には「公立に行って親にお金をかけさせないのが親孝行だ!」と言ったのに、弟には私立の高校を勧めて入学させました。

 

当時地方に住んでいましたが、毒父が都心に転勤することになり、都心郊外から通える短大を受験することになりました。

全く土地勘がないので、一足先に都心に単身赴任をしていた毒父に受験会場まで案内してもらうことになったのですが、3校受験する内の2校に遅刻をするという失態をしてくれました。残りの1校も遅刻しそうでしたが、なんとか10分前に席に着くことができました。

受験会場までタクシーで行ったのですが、道が混んでいて進まず、心配したタクシーの運転手が「歩いた方が早いですよ」と言ったのに毒父は「いや、いいんです」と断っていて驚きました。

前日に二人で親戚の家に泊まらせてもらったときも、勉強をしている私に「勉強なんかやってもむだだ、むだだ」と言い、電気を消してしまいました。

自分の娘が受験するのにそんな態度の親がいるのかと驚きました。

短大は結局10分前に着席できた第三志望の短大のみ合格しました。

第一志望の学校は1教科目の残り時間が15分しかなく、泣きたくなりました。

毒父は私に本当は進学してほしくないという気持ちからこのような行動をとったのだと思っています。

 

この間、「ドラゴン桜」というドラマを見ていて、弁護士の桜木健二が、女に学歴は必要ないと言っている生徒の小杉麻里の父親に言ったセリフが印象的でした。

 

(以下桜木のセリフ)

「学歴なんか必要ないと言いながら、誰よりも学歴にこだわっているのは、あなたの方なんじゃないですか

自分が学歴で悔しい思いをしてきてるからじゃないですか
なのになぜそれを娘に与えようとしないんだ

あんたは単に娘を自分より優位に立たせたくないだけだ
女に学歴は必要ない、そんな時代錯誤なやつってのは、自分のプライドを守るために古い考えに固執し、今の世界を見ようとしない
コンプレックスをもつのは結構、どうぞ勝手にやってくれ
だがな、そのちっぽけなプライドを守るために娘の自由を奪い、力ずくで抑え込もうとする
そういう親こそ本当のクズ親だと俺は思うがな」

 

このセリフを聞いた時、私が思っていたことだと思いました。そう、本当のクズ親!よくぞ言ってくれました。